新しい投資先を研究するため、昔買った本を読み返してみました。
『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019−2038』
著者も「当たらない」と公言されていましたが、統計に基づいて事実をベースにまとめているとのことで興味があって昨年購入しました。
正解がほしいというよりは、記載されているキーワードから投資先を見つけるヒントがあればと思って読み返しています。良い投資先を連想しやすい着目点にふれたいと思います。
読んでいない方のためにも、できる限り内容は触れないように、キーワードだけを抜粋するようにします。ご容赦ください。
今回はキーワードから業界を中心に見ているので、いくつか個別銘柄もあげていますが、投資判断になる詳細分析はせず一例としてあげています。
『未来の稼ぎ方』の紹介
著者
調達・購買コンサルタントの『坂口 孝則』さん。
テレビコメンテーターもされていたので、ご承知の方も多いと思います。
多くの本を出されていて、例えば…
- 2010年『利益は「率」より「額」を取れ…』▶︎立ち読みで見たような…すみません
- 2012年『モチベーションで仕事はできない…』▶︎仕事で落ち込んでいた時期に読みました
など、メーカー購買部門の経験から、原価に着目した利益の出し方や、個人のお金の使い方や働き方の本も書かれています。
本書の概要
著者が述べる特徴として
- 統計・データをもとに書いている
- データ源を、できるだけ誰もがアクセスできるものとしている
- 各年度で一つの業界を広範囲で取り上げている
上記に基づいて、2019年から2038年の20年間について、象徴的な業界をとりあげて、何が起きるか予想されるものを書かれています。
以下は、幻冬舎のTweet
「これから起こる変化の兆しを読み取り、ポジティブに解釈し、ビジネスや生活に活かすためのヒントに満ちあふれている」 坂口孝則さん『未来の稼ぎ方』を千葉商科大学専任講師・働き方評論家の常見陽平さんがご推薦くださいました。ありがとうございます!#新書大賞2019 pic.twitter.com/GMynMOG4kG
— 幻冬舎新書 (@gentoshas) February 8, 2019
2021年の業界予測
坂口さんが掲げた2021年のキーワード
2021年 東日本大震災から10年、
インフラ危機とそのビジネスの勃興
坂口さんが売れるものとしてあげたのが…
- 建築現場における測定等のIT商品
- インフラ長寿命化商品
- 公共インフラの見直しなどコンサルティングビジネス
『測定』で連想▶︎『航空測量』
上場企業上位で例をあげてみると…
- パスコ(証券CD:9232)セコム傘下の航空測量大手
- 日本アジアグループ(証券CD:3751)国際航業を子会社に持つ
- アジア航測(証券CD:9233)ドローン関連株としても注目
業界全体で2017から2018年をピークにダウントレンド▶︎ドローン関連はまだいけるか分析要
さらに連想できる業界を絞り込み▶︎『測量システム開発』
銘柄例をあげてみると…
- 日本工営(証券CD:1954)建設コンサルタント。地理情報システム提案
- 福井コンピュータホールディングス(証券CD:9790)測量システム提案
- シーティーエス(証券CD:4345)建設ICT。測量システム提案
- アイサンテクノロジー(証券CD:4667)測量システム提案
実績を見てみると…
実績と時価総額を見てみると、ある程度資金は投資されている様子
チャートは月次(2020年5月27日引け後)
チャートを見ても、測量関連のトレンドに近い。
『福井コンピュータ』は、建設機械大手『日立建機(証券CD:6305)』とのクラウドサービス連携があるので、しばらく経過観察要
2021年『測定関連』は先行投資済み▶︎次行ってみよう!
2022年の業界予測
坂口さんが掲げた2022年のキーワード
2022年 総エネルギー需要がピークに。
省エネ・コンサルティングが次なる売り物に
坂口さんが売れるものとしてあげたのが…
- 海外工場や家庭での省エネルギーのコンサルティング
- クリーン発電技術
『クリーン発電』で言えば
- 『太陽光発電』
- 『風力発電』
- 『バイオマス発電』 など
『省エネコンサル』も併せて銘柄例をあげてみると…
- イーレックス(証券CD:9517)電力小売、バイオマス発電所保有
- ウエストホールディングス(証券CD:1407)太陽発電工事
- レノバ(証券CD:9519)クリーン発電
- グリムス(証券CD:3150)省エネコンサル、電力小売
さらに時価総額100億円前後で抜粋すると…
- 大成温調(証券CD:1904)空調・給水工事。省エネ・節電提案
- 協立電機(証券CD:6874)FAシステム。省エネ制御提案
- エフオン(証券CD:9514)省エネコンサル。バイオマス発電
- ヨシタケ(証券CD:6488)自動弁製造。省エネ制御提案
業績を見てみると…
売上、利益ともに二桁成長していない▶︎他の同業種銘柄もチェック要
チャートは月次(2020年5月27日引け後)
上位をみると、2019年に資金が入り、コロナ後上昇して時価総額700億円前後にいるが、上記銘柄は2018年以降に大きな資金は入っていない模様
時価総額100億円前後に絞ると新興企業が減るのでフィルターのかけ方に工夫がいる
トレンドは比較的上昇傾向なので、個別銘柄を市場規模と成長性を加味して研究する余地あり
2022年『省エネコンサル』個別銘柄分析の余地あり
2023年の業界予測
坂口さんが掲げた2023年のキーワード
2023年 農業の6次産業化が進み、
スマート農業が本格化する
坂口さんが売れるものとしてあげたのが…
- 海外向けに日本の付加価値食品
- 農業の収穫リスクを低減する保険商品
- 農地からのセンサー情報から、収穫高を予想するようなシステム
『スマート農業』で連想する銘柄は…
- オプティム(証券CD:3694)AI・IoTサービス。スマート農業支援サービス
- eBASE(証券CD:3835)情報管理システム。農産物生産管理も手掛ける
さらに時価総額100億円前後で抜粋すると…
- セラク(証券CD:6199)AI、IoTサービス。農業IT提案
- 農業総合研究所(証券CD:3541)農業コンサル
- イーサポートリンク(証券CD:2493)生鮮流通管理など
- ネポン(証券CD:7985)農用機器。ハウスモニタリングサービスなど
業績を見てみると…
成長性も高いので経過は継続的にみていきたい
チャートは月次(2020年5月27日引け後)
この業界の上位銘柄は2019年後半には資金が入り、現時点で上昇トレンドにいる。上記銘柄はまだ大きな資金も入っていない模様
時価総額100億円前後で絞っても、新興企業は見つかるので後発組も検討できる
食糧問題は将来の懸念も高く、農業は重要なセクター▶︎ストック収入が入るビジネスモデルを持つ企業が台頭してくるとおもしろい
2023年『スマート農業』は個別銘柄分析の余地あり
2024年の業界予測
坂口さんが掲げた2024年のキーワード
2024年 アフリカで富裕層が急増
坂口さんが売れるものとしてあげたのが…
- 食品・日用品・雑貨
- インフラ関連ビジネス
『アフリカ』『食品・日用品・雑貨』で連想▶︎『海外進出で成功』
関連する銘柄は…
- 味の素(証券CD:2802)国内調味料大手
- 日清食品ホールディングス(証券CD:2897)国内即席麺大手
- 花王(証券CD:4452)国内日用品大手
- 資生堂(証券CD:4911)国内化粧品大手
- ユニ・チャーム(証券CD:8113)国内サニタリー・紙オムツ・ペットケア大手
既に中国やインド進出で成功▶︎既存取組企業の上昇余地があるといったところか
2024年『アフリカ関連』は既存企業の成長余地あり
2025年の業界予測
坂口さんが掲げた2025年のキーワード
2025年 団塊世代が75歳へ
坂口さんが売れるものとしてあげたのが…
- 孫向け商品
- コミュニケーションサービス
- シニアの趣味・恋愛・旅行に関するビジネス
『シニア向け』は付加価値なので、すべてのサービスに通ずる
- 『シニア対応のコミュニケーションサービス』
- 『シニア対応の趣味・恋愛・旅行ビジネス』
のように、『シニア対応』が鍵。例えば…
- 『シニアが見やすい広告媒体』
- 『シニアがエントリーしやすいWebサービス』
といった取組を本格的に導入すると、埋蔵金を掘り起こせるのかもしれない。
『シニアが見やすい広告媒体』は従来テレビが担っていたが、『シニア対象のYouTubeチャンネル』にエントリーする企業も増える気がする。
いずれにしても、業界を特定するならさらなる情報収集が必要
2025年『シニア対応』はさらなる情報収集要
業界予測本のキーワード【結論】
2021年『測定関連』先行投資済み▶︎次へ
2022年『省エネコンサル』は個別銘柄分析の余地あり
2023年『スマート農業』は個別銘柄分析の余地あり
2024年『アフリカ関連』は既存企業の成長余地あり
2025年『シニア対応』ははさらなる情報収集要
いずれにしても、『未来の稼ぎ方』は2019年から2038年の業界予測のためのキーワードはたくさん記載してあるので、連想が弾んで面白いですよ。
今回は2021年〜2025年まで使いましたが、2026年あたりから新しい気づきも増えてきます。
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