気になる企業の決算説明資料で考察!
金融目線というよりは、打ち手がおもしろいかという個人的視点で見て、振り返りができる勘弁的なメモになるようにしたいと思っています。
↓分析のために参考にした本
↓こちらも比較のために利用
↓今回の企業は7月末の記事でふれています。
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【投資分析】日本経済の予言本を読んでみた!気候災害ショック?
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気になる企業
出典:企業HP 製品情報ページ(https://www.kobayashi.co.jp/)
- 小林製薬(4967)
https://www.buffett-code.com/company/4967/
医薬品、衛生用品、日用品メーカー。名古屋発祥で大阪に本社をもつ。
↓『ライオン』の数値比較でもふれています。
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【企業分析】業種:化学(日用品メーカー)/ライオン(4912)
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主要製品群(主なブランド)
- ヘルスケア
”アイボン”(アイケア)
”アンメルツ”(外用消炎鎮痛剤)
”のどぬーる ”(殺菌・消毒)
”ナイシトール”(漢方製剤:肥満改善) - オーラルケア
”ブレスケア”(清涼菓子)
”生葉”(歯磨き粉等シリーズ)
”タフデント”(入れ歯洗浄剤) - スキンケア
”ケシミン”(医薬部外品:しみ対策)
”ビフナイト”(ニキビ治療) - 日用品
”消臭元”(芳香剤・消臭剤シリーズ)
”ブルーレット”(トイレ洗浄)
”熱さまシート”(熱冷却) など…
上記以外でもキャッチーなネーミングと特徴的なCM広告などで商品名認知は高い!
競合状況
⬇️製品が競合する企業は…
- 花王(4452)日用品メーカー最王手。オーラルケアなどで競合。
https://www.buffett-code.com/company/4452/ - ライオン(4912)オーラルケアなどで競合。
https://www.buffett-code.com/company/4912/ - ロート製薬(4527)漢方製剤、アイケア、スキンケアなどで競合。
https://www.buffett-code.com/company/4527/ - アース製薬(4985)入れ歯用品などで競合。
https://www.buffett-code.com/company/4985/ - エステー(4951)芳香剤、カイロなどで競合。
https://www.buffett-code.com/company/4951/
上記の関連企業から以下を比較対象として選択。
- ロート製薬(類似点…売上・利益が同規模)
- エステー(ライバルと言えば…”消臭力”が一番印象)
直近の業績
直近の四半期実績は…
『小林製薬』
『ロート製薬』
『エステー』
出典:Kabutan決算情報
『小林製薬』衛生関連需要増、外出・飲み会減、インバウンド減、広告宣伝減によって減収増益着地。私見では衛生関連需要増の恩恵がもっとあるかなと思っていたが、インバウンド減の影響のほうが大きかった。
『ロート製薬』外出自粛によって、日焼け止めの減収は影響を受けたが、高単価である新商品の好調によって増益着地。
『エステー』数値が物語る通り、繁忙期の2Qを微減収微減益で乗り切った感じ。2Q通期では増収増益なので及第点といったところか。
3社ともに、コロナによる影響はあったものの、”巣ごもり需要”によって業績は復調。どちらかと言えば、価格敏感性の高い商品群を主力としているため、”増税反動減”のほうが業績に影響があった様子。あとは、”インバウンド大幅減”は影響大だが、比較的軽微で乗り切っている印象。
いずれにしても日本市場は縮小傾向。”EC強化”、”中国”が重要キーワード!
出典:バフェット ・コード_企業ページ(11月20日時点)
7月末の記事でふれた時は、2Q決算開示前で株価9,000円前後、その後ゆっくりと株価上昇していき、高値付近で推移している。
4Q通期では復調予想であるが、好決算とは言い難い。それでも株価が上昇しているのは、何かに期待しているのか?その”何か”に興味がわく!
今後の見通し
”2020年12月期 第3四半期 決算説明資料”を見てみると…
出典:2020年12月期 第3四半期 決算説明資料 1・2頁
増税反動があるので、9月末の売上(小売業からみると仕入)が減るのは仕方ない。
出典:2020年12月期 第3四半期 決算説明資料 9・10・11頁
インバウンド減で化粧品や医薬品メーカーは厳しい状況で、”小林製薬”も例に違わず。コロナによる衛生用品増、巣ごもり需要による掃除関連増は予想通り。外出自粛源による会食減も想像がつくが、インバウンド減は想定以上。逆説に言えば、販路が確保されれば再度売上が作れる?
出典:2020年12月期 第3四半期 決算説明資料 14・15・17頁
中国市場では、”ライブコマース”急成長している。既にカウンセリング販売を主としていた”資生堂”が”ライブコマース”に舵を切り、インバウンド減の分を取り返しに動いている。
”小林製薬”も”ライブコマース”を中心とした中国でのEC強化が活路。
出典:2020年12月期 第3四半期 決算説明資料 19頁
厳しい状況ながら増益着地を狙えるところに底力を感じる。増税反動期もぬけて反転攻勢としたいところだが、内需は厳しい。前述の通り、”EC強化”、”中国市場”にどれだけ打ち手があるかが鍵。
ふりかえりとして…
正直に言えば、直近の状況をみれば注目しづらい状況だが、”インバウンド大幅減”によって大きく売上を落としている点に注目。前述の通り、”インバウンド大幅減”によって大きく収益を落としたと言うことは、海外…特に中国での商品需要は高いと言う裏付け。
従来通りの物販での商売は縮小していく中、中国での”ライブコマース”進出は一気に進む。その時に成功する企業はどこかと見定める時期…
”商品力”×”行動力”で企業をみれば注目する企業は見えてくる。”小林製薬”はそんな企業の一例として注目。類似企業も含めて研究を進めて、2021年以降に花が開くことを見つめる。
↓7月末の記事でふれています
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↓分析のために参考にした本
↓企業選定にはこちらも利用