気になる企業の決算説明資料で考察!
金融目線というよりは、打ち手がおもしろいかという個人的視点で見て、振り返りができる勘弁的なメモになるようにしたいと思っています。
参考資料として…
- 企業ホームページならびに決算説明資料(2020年度12月期第2四半期 決算説明会資料)
- 直近四半期実績の出典として『Kabtan』
- 直近データリンク先として『バフェット ・コード』
を利用しています。感謝です。
↓今回の企業は6月末の記事でふれています
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気になる企業
出典:企業HP トップページ(https://www.accrete-inc.com/)
- アクリート(4395)
https://www.buffett-code.com/company/4395/
SMS(ショートメッセージサービス)配信事業が主力。
2010年以降、A2P-SMS(企業と顧客間でSMSを使ったコミュニケーション)の市場が拡大する中、携帯電話事業者(ドコモ、KDDI、ソフトバンク等)との直接接続による正規ルートが強み。
導入企業実績も十分にあり、SMS事業の中では認知は高い。
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 36ページ(会社概要)
競合状況
比較対象の企業を挙げると…
- fonfun(2323)リモートメールサービスが主力。「fonfun SMS」展開。
https://www.buffett-code.com/company/2323/ - エイジア(2352)メール配信を軸としたCRMサービス。「WEBCAS SMS」展開。
https://www.buffett-code.com/company/2352/ - AI CROSS(4476)企業コミュニケーションツールが主力。「AIX Message SMS」展開。
https://www.buffett-code.com/company/4476/
主力が違うので直接競合しない場合もあるが、SMSのサービスを展開しているので比較対象としてみたい。一番の競合相手は『AI CROSS』かな…
上記以外でもSMSを取り扱う企業は…
- TIS(3626)大手SIer。傘下企業がSMS連携展開。
https://www.buffett-code.com/company/3626/ - アイティフォー(4743)システム開発が主力。SMS送信システムに強み。
https://www.buffett-code.com/company/4743/ - イントラスト(7191)保証サービスが主力。SMSを使ったサービス展開。
https://www.buffett-code.com/company/7191/ - トビラシステムズ(4441)迷惑電話対応が主力。「迷惑SMSフィルタ」展開
https://www.buffett-code.com/company/4441/
などもあるが、現時点(2020年9月11日時点)で時価総額100億円以下の企業で数値比較する。
直近の業績
直近の四半期実績は…
『アクリート』https://kabutan.jp/news/?b=k202008140059
『fonfun』https://kabutan.jp/news/?b=k202008130164
『エイジア』https://kabutan.jp/news/?b=k202007310344
『AI CROSS』https://kabutan.jp/news/?b=k202008140157
出典:Kabutan決算速報
『AI CROSS』意外はどの企業も売上微増、収益大幅増の構図。『fonfun』はさらに大きな利益伸長をしているが、事業規模も小さいので持続的であるか経過観察要。
『AI CROSS』は先行投資もあって減益予想であるが、4Qでの計画変更はないみたい(大幅回収?)
出典:バフェット ・コード_企業ページ(9月11日時点)
単純に最近の売上伸長が低いので、株価が大きく上振れしていない。具体的なポジティブニュースが出ない限り難しいと思うが、来期予想次第では…注目、注目!
今後の見通し
決算説明資料を見てみると…
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 8・9ページ
国内SMSは増収。海外SMSは前期からの収益重視への転換から減収だが、四半期推移をみると下げ止まり感はある。全体で見れば売上伸長は微増だが、収益率は改善している。
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 37・38ページ
海外のグレールートは、安価であるがセキュリティレベルは低い。フィッシング対策によるコストを鑑みると、国内の正規ルートの利用のほうが生産性は高くなるかもしれない。
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 11ページ
想定通り、二段階認証が伸長。自分自身としても二段階認証が出始まめた当初は面倒と感じたが、現在は二段階認証されるほうが安心する思考に変わってきている。
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 13・39ページ
A2P-SMSの市場は今後も伸長する。上図を見ても3年後は現時点の3倍になっているが、普及率を鑑みても2024年以降も加速すると予想される。
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 28ページ
このページで書かれることが一番重要だが、少しボカされているのが残念。会社成長を考えても新事業の開発は大事だが、主力であるSMS事業の打ち手が明確に出てくると期待はもっと高まると思う。
ふりかえりとして…
コロナによって、リモートワークが増えてくると同時に不正利用も増加しており、従業員が会社システムに入る時にも二段階認証する時代になるだろうなとおぼろげに思っていたので、個人認証系に関わるビジネスには興味があった。
各社の説明資料を調べていた矢先に”ドコモ口座の不正利用”のニュースが出て、関連銘柄が乱高下していた。過去を遡れば、2019年7月の”セブンペイ”の不正利用問題(現在はサービス終了)の時と似ている。
このような話は、不正利用による被害が出ている人がいるといった認識ぐらいで、自分には関係ない話のように思っている方が大半であると思う。各社の役員をされている年齢層の方は特に!
役員クラスのIDで見られる企業情報はインサイダーレベル。でも、パスワードは単純なものを利用している方が多く、若い子よりもセキュリティに疎い。
うそのような本当の話。潜在需要はとても高いし、どの企業も即本人認証を導入すべきだな。
この話を逆説に捉えれば…チャンスはいっぱいある…
↓6月末の記事の”サイバーセキュリティ”でふれています
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