気になる企業の決算説明資料で考察!
金融目線というよりは、打ち手がおもしろいかという個人的視点で見て、振り返りができる勘弁的なメモになるようにしたいと思っています。
参考資料として…
- 企業ホームページならびに決算説明資料(2020年度12月期 第2四半期決算説明会資料)
- 直近四半期実績の出典として『Kabtan』
- 直近データリンク先として『バフェット ・コード』
を利用しています。感謝です。
↓今回の企業は6月の記事でふれています
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気になる企業
出典:企業HP トップページ(https://medrt.co.jp/)
医療情報のプラットフォームを提供する企業
ホームページの会社概要をみると…
- 医師及び看護師等の職業紹介
- 医療機関の開設及び運営のコンサルティング
- 医師が発信するオウンドメディアの運営
- 医師向けグループウェアの運営
- 遠隔医療・健康相談サービスの運営
などが事業内容として掲げられている。
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 3・7・8ページ
医師を中心とした人材紹介が主力。競合と比較して”非常勤”を中心としていたが、日本メディカルキャリア(旧社名:CBキャリア)を子会社として、”常勤医師”や”薬剤師”などの人材紹介も参画。同業の巨人である『エムスリー』と比較すると業績の差は大きいが、学閥による独特なネットワークを持つ業界で規模だけでは測れないものもある。
競合状況
切り口としては”遠隔医療”
『MRT』と同様に、医療人材の紹介業を主力に”遠隔医療”に携わっている企業は…
- エムスリー(2413)医療人材大手。LINEと共同でオンライン医療会社を設立。
https://www.buffett-code.com/company/2413/ - メドレー(4480)医療人材系。医療プラットフォーム事業を強化。
https://www.buffett-code.com/company/4480/ - メドピア(6095)医療人材系。傘下企業で遠隔診療のプラットフォーム開発。
https://www.buffett-code.com/company/6095/ - ケアネット(2150)『T-ICU』『ブイキューブ』と業務提携▶︎遠隔集中治療に参画
https://www.buffett-code.com/company/2150/
グロース株の代表格である『エムスリー』は別格すぎるので除外し、その後に続く医療系グロース株である3社(『メドレー』『メドピア』『ケアネット』)を数値比較の対象に選択。
他に”遠隔医療”で関連する企業は…
- オプティム(3694)『MRT』と共同で『遠隔医療ポケットドクター』を運営
https://www.buffett-code.com/company/3694/ - テクマトリックス(3762)傘下企業が『エムスリー』と業務提携▶︎医療支援強化
https://www.buffett-code.com/company/3762/ - メディカル・データ・ビジョン(3902)医療データのネットワークサービス。
https://www.buffett-code.com/company/3902/
などの優良企業もあるが、今回は同じ医療人材系で業績比較する。
直近の業績
直近の四半期実績は…
『MRT』https://kabutan.jp/news/?b=k202008110245
『メドレー』https://kabutan.jp/news/?b=k202008140096
『メドピア』『ケアネット』は大きく業績が伸長、『メドレー』も黒字転換で3社とも株価を大きく押し上げる時期にきているが、比較して『MRT』は注目しづらい業績。利益率は向上しているが売上伸長は低い。
出典:バフェット ・コード_企業ページ(9月18日時点)
株価も業績の伸長が鈍化しているため横ばいが続く。競合他社が上昇トレンドにある中、乗り遅れ感があるが伸び代があるともとれる。
今後、医療のデジタル化が進むことを鑑みれば、トレンドにいるので、業績がついてくれば大きく上昇する可能性は十分にあると思われる。
今後の見通し
決算説明資料を見てみると…
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 3・7・8ページ
従来事業である派遣業は縮小。新サービスとして”医師ライフサポート”、”書籍出版サービス”で売上がオンしている模様。
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 15・17ページ
経営者が医師である取組だなと感じるところ。”医師プラットフォーム”や”書籍出版”は大きく業績を引き上げるものではないかもしれないが、先行する『エムスリー』などと競争する上で、通常の経営者では手を出さない取組で差別化をはかっている。とても興味深い。
特に”書籍出版”は手間がかかり、一般の経営者では手を出さないであろうが、医師の思考を理解したマネをしづらい取組。投資家は興味ないだろうけど、現場受けは良いのでは?
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 20・21・22ページ
普通、先行する『エムスリー』『メドレー』『メドピア』『ケアネット』などに営業活動を勝つのは困難と思うが、取引先医療機関を増加させるため、オンライン診療の無償提供という勝負に出ている。
医療のデジタル化で”遠隔医療”が本格稼働するとき、大外から一気にまくってくるかも…
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 29ページ
競合他社と比べて注目されるほどの業績ではないが、一部事業の縮小や無償提供など、業績に反映しない取組をしていながら、増収増益で着地する予想。今期は大きく株価上昇する見込みは薄いな…
ふりかえりとして…
菅政権の目玉施策であるデジタル化は医療業界でも”遠隔医療”などのオンライン化が進むだろう。
一番恩恵があるのは『エムスリー』であるだろうし…
第二の『エムスリー』になりうるのは…『メドレー』『メドピア』『ケアネット』のほうが近いと思う。
通常であれば、上記のいずれかの銘柄に投資するのが妥当であるが…
既に注目されて株価も一段高になってしまった銘柄より、まだ注目されていない状況で時価総額も低く、将来的に”遠隔医療”の本格稼働で大きくハネる可能性がある『MRT』のほうが気になってしまう。
言わば、大穴狙いで投機的でもあるけれど…
↓コンタクトレステック(遠隔医療)でふれています
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