投資分析 資産運用

【投資分析】日本経済の予言本を読んでみた!アフターコロナ?

2020年7月20日

 

「日本経済は今後どうなるんだろう」って不安になりませんか。

この記事は、その日本経済の有識者などの見解を元に、投資先を連想する内容です。

厳しい業界もありますが、追い風の業界もたくさんあります。

ポジティブに、シンプルに、可能性を探ります!

今回は以下の本より、単純連想します。(全7記事のうち、第1弾目)

 

日本経済 予言の書

本著で書かれている2020年代に訪れる7つのショック

  1. アフターコロナ ショック
  2. トヨタショック
  3. 気候災害ショック
  4. アマゾンエフェクト
  5. 人口ピラミッドの崩壊
  6. ポピュリズムショック
  7. デジタルショック

を軸に日本経済の行方について予言を書かれています。

その予言を深ぼって悲観的になるのではなく、その予言から連想される業界を分析するきっかけにしようと思います。連想によって本著内容から大きく外れていきますが、それが狙いなのでご容赦ください。

予言の詳細を知りたい方は本著を買って読んでください。

今回も銘柄実績を見るためのリンク先には『バフェット・コード』を利用しています。

 

 

本著の予言1『アフターコロナ ショック』

気になる予言は…

「もし今年の夏に日本のコロナが収束しても、南半球で逆にコロナが猛威をふるい始めたら」という前提で、「その場合、コロナは2021年にも流行する」

もし本当であるなら、緊急事態宣言時に起こった経済状況が再度訪れる可能性がある…

資金がぬけそうな業界例は…

  • 観光業(旅行、宿泊等)
  • 飲食業(宅配以外)
  • 小売業(食品スーパー、ドラッグストア以外)

は業績はもちろん、半年程度を乗り切るキャッシュが必要…

再度、資金が入りそうな業界例は…

  • 情報・通信(テレワーク促進▶︎クラウド、SaaS等)
  • 医薬品(バイオ関連)
  • 小売業(特にドラッグストア)

クラウド関連やバイオ関連はSNSやYouTubeで大きく取り上げられているので却下

今回は『ドラッグストア』を深ぼって分析。

 

 

ドラッグストアの特徴

ドラッグストアの特徴として…

  • ディフェンシブ銘柄(日経平均と逆行しがち)
  • 内需型(国内商品の構成比が高く、円高に強い)
  • 上位の成長率は10%(まだ成長しているが収斂フェイズに突入)
  • オーナー経営が多い(創業者から2代目への継承時期)
  • 調剤併設が進行している(ECが介入できない)

コロナ流行時のさらなる特徴として…

  • 衛生用品の特需(マスク、アルコール、ハンドソープ等)
  • 都市型(駅前・繁華街中心)はインバウンド需要源で売上減
  • 郊外型(田舎・住宅立地)は生活必需品の買い場として底堅い

4月、5月は特需が落ち着き、売上伸長も鈍化しているように見えていたが、チラシ販促を中止しても一定の売上高を確保していることを勘案すると、販促費を抑制できているので営業利益率が高い状況と推察できる。月次だけでは利益伸長は判断しづらい。

銘柄例として…

  1. マツモトキヨシホールディングス(3088)
    https://www.buffett-code.com/company/3088/
  2. ココカラファイン(3098)
    https://www.buffett-code.com/company/3098/
  3. ウエルシアホールディングス(3141)
    https://www.buffett-code.com/company/3141/
  4. ツルハホールディングス(3391)
    https://www.buffett-code.com/company/3391/
  5. コスモス薬品(3349)
    https://www.buffett-code.com/company/3349/
  6. サンドラッグ(9989)
    https://www.buffett-code.com/company/9989/
  7. スギホールディングス(7649)
    https://www.buffett-code.com/company/7649/
  8. クリエイトSDホールディングス(3148)
    https://www.buffett-code.com/company/3148/
  9. クスリのアオキホールディングス(3549)
    https://www.buffett-code.com/company/3549/
  10. カワチ薬品(2664)
    https://www.buffett-code.com/company/2664/
  11. キリン堂ホールディングス(3194)
    https://www.buffett-code.com/company/3194/
  12. Genky DrugStores(9267)
    https://www.buffett-code.com/company/9267/
  13. 薬王堂ホールディングス(7679)
    https://www.buffett-code.com/company/7679/
  14. サツドラホールディングス(3544)
    https://www.buffett-code.com/company/3544/

 

マツモトキヨシホールディングス(3088)

https://www.buffett-code.com/company/3088/

いち早くTVCMを打って、ドラッグストアの認知度を高めた立役者。2020年10月に『ココカラファイン』との経営統合を控えており、売上高1兆円の一番乗りが見えている。

強みは…

  • 都市型が強い(主要都市の駅前、繁華街に多く出店)
  • ブランド力が高い(通称:マツキヨ)

駅前や繁華街のノウハウは圧倒的に高いので、都市型店舗の優位性はしばらく続くと思われる。

懸念点は…

  • インバウンドの恩恵を受けていた分、インバウンド減は売上減に直結
  • 郊外型が弱いため、地方出店には人材確保要

統合予定の『ココカラファイン』も都市型の構成比が高く、双方ともにインバウンド減の影響を受けている企業同士であるため、売上伸長は大手の中では厳しい状況。大手同士のM&Aのため、指揮命令系統がしばらく定まらないと予想。

情報元:バフェットコード企業概要より

成長も鈍化気味であるので、株価推移もイマイチ上昇しきれていない。『ココカラファイン』との経営統合による水準訂正も期待したいところ。

 

 

ウエルシアホールディングス(3141)

https://www.buffett-code.com/company/3141/

大手流通企業である『イオン』傘下のドラッグストア。M&Aによって規模拡大をはかり、売上高は1兆円を狙える位置にきている。

強みは…

  • 親会社の恩恵(プライベートブランド、共同調達等)
  • 調剤併設率が高い(約7割)

懸念点は…

  • 調剤以外の特徴が少ない(バランスが良いとも言えるが…)
  • 合併による並列役員が多め(指揮命令系統に懸念)

過去の主要M&Aを見てみると…

step
1
ウエルシア関東(グリーンクロス・コア+いいの)

step
2
グローウェルHD(ウエルシア関東+高田薬局)

step
3
ウエルシアHD(グローウェルHD+CFSコーポレーション)

など、10社以上の企業と経営統合している。屋号は『ウエルシア薬局』で統一しているが、多国籍であるデメリットは未だ拭えていないと思われる。

情報元:バフェットコード企業概要より

7月17日発表の株式分割(2分割)もあり、さらなる株価上昇も期待できるが、現株価(7/20時点:9,280円)は業績予想を織り込んでいるようにも思えるので、もうひとつ好材料IRがほしいところ。

 

 

ツルハホールディングス(3391)

https://www.buffett-code.com/company/3391/

北海道に本社をおくドラッグストアで、おなじく北海道で創業した『ニトリホールディングス』と並んで小売業界では注目が高い。

強みは…

  • 推奨商品の接客販売力は日本トップクラス(利益率が高い)
  • M&Aが比較的うまい(業績を上手に積み上げている)

利益率の高さには定評があり、大手ドラッグストアの中では収益性が高い。M&Aをしても利益率が低下しないところに強みを感じる。

懸念点は…

  • カリスマ創業者との世代交代(どの企業にもあてはまる)
  • 行政指導のニュースもたまにあり…コンプラ対策不足?

大手の中では懸念点は少ないほうであるが、グループ企業との連邦経営が気にかかる。企業規模が大きくなるとベクトルを合わせるのが困難になるので、緩やかな連携はいずれ首をしめるように感じる。

情報元:バフェットコード企業概要より

現株価(7/20時点:14,600円)は業績分が反映しきっていないように感じるため、水準訂正はいずれ考えられるが、株価が比較的高めであり個人投資家は買いづらい。

 

 

コスモス薬品(3349)

https://www.buffett-code.com/company/3349/

九州基盤のディスカウント型のドラッグストア。いち早く、ポイント還元廃止や、EDLP(Everyday Low Price)戦略を主体とし、ローコストオペーションによる価格戦略に定評がある。

  • 価格競争力が高い(地域によって戦略的な売価設定)
  • 販管比率が低い(ローコスト運営で低粗利益をカバー)

店舗競争力がたかいので、業界の中でも一番注目されている企業。

懸念点は…

  • 大手の中では調剤併設率が低い
  • 店舗面積も比較的大きめなので、都市部の用地取得は不利?

言うならば、医薬品を販売できるディスカウントストア。差別化(調剤、化粧品等)部分は他の大手と比較すると弱いように感じる。

情報元:バフェットコード企業概要より

業績推移は業界内でもトップクラスであり、株価推移も順当に上昇している感。強いて言えば、ツルハ同様に株価が高いので株式分割が期待されている。

 

 

スギホールディングス(7649)

https://www.buffett-code.com/company/7649/

愛知県発祥のドラッグストア。産学連携をうまく取り入れ、薬剤師採用も比較的好調であり、調剤事業に強みを持っている。マツキヨとの統合はココカラに競り負ける…(統合しなくて正解?)

強みは…

  • 調剤併設率が高い(9割以上)
  • 化粧品の販売力が高い

都市型(駅前、繁華街)と郊外型の中間にある立地(所得水準が高め、地代も高め)にマッチしている店舗モデルをもっているので、俗に言うおいしい立地への出店が得意。また、厚労省がかかげる”かかりつけ薬局”を一番体現しているドラッグストアと思われる。

懸念点は…

  • 雑貨、食品は比較的強みが少ない(田舎立地では不利)
  • M&Aは比較的うまくいっていない

良くも悪くも、ヘルス&ビューティー主体のドラッグストアである。10年前は成長企業の筆頭として、飛ぶ鳥を落とす勢いであったが、その後のM&Aでもたつきが生じて、成長が鈍化気味になったと感じる。

情報元:バフェットコード企業概要より

得意な立地への出店で、着実に業績を積み上げ、株価推移も順調に感じる。新しいエリアで、各地の郊外型ドラッグストアとの競争が始まっているが、それ結果次第で今後の成長が判断される。

 

 

クスリのアオキホールディングス(3549)

https://www.buffett-code.com/company/3549/

北陸基盤のドラッグストア。小商圏での強みである高頻度の再来店の取り組みを上手に取り入れ、最近では生鮮食品を品揃えしている大型店舗の出店もしている。

強みは…

  • 成長率が高い(出店数も加速している)
  • 新しい取り組みができている(生鮮取り入れ等)

業界の中でも成長率が高く、ここ5年来で業界をみても、コスモス薬品とのトップ争いを繰り広げている。郊外型店舗の強みもあり、店舗競争力は高い部類と感じる。

懸念点は…

  • 成長率が高いので、店舗運営が安定しないように感じる
  • 広域な出店で、人材確保ができているか懸念

成長率が高いことは望ましいことだが、ドラッグストアを総じて資格者(店舗なら登録販売者)を配置しないといけないので他の小売業よりも採用難易度が高い。新規出店が増えれば、既存店舗の人材力が低下しかねないので、採用人数がバロメータに思われる。

情報元:バフェットコード企業概要より

業績は順調であるが、2019年に下方修正(結果、コロナ特需で挽回)を出しており、成長戦略にも陰りが見え隠れしている。M&Aを検討する時期にきているのかもしれない。

 

 

ドラッグストアに対する私見

高利益率の医薬品や化粧品を武器に、雑貨や食品のディスカウントで成長してきた業界。一地方企業が大きくなり、各地域で大手同士の競争が激化してきている。

20年前はどのドラッグストアも成長していたが、10年前から優勝劣敗がつき始めて収斂が進んでいる。これからの10年は収斂がさらに進み、コンビニ業界のように大手三社による寡占化が未来予想図。

AmazonなどのECとの競争も激化するが、調剤事業など規制に守られた強みを活かし、店舗型小売業の中では比較的成長は未だ続くと予測される。

投資判断をするポイントとすれば…

  • 成長率10%以上
  • 経常利益率5%以上

といったところを軸に…

  • 調剤事業の強化
  • EC事業の強化
  • ローコストオペレーション

をきっちり取り組んでいる企業は生き残るように感じる。

 

連想によって本著から大きく脱線していますが…

予言の詳細に興味がある方は、本著をお読みください。

 

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