気になる企業の決算説明資料で考察!
金融目線というよりは、打ち手がおもしろいかという個人的視点で見て、振り返りができる勘弁的なメモになるようにしたいと思っています。
参考資料として…
- 企業ホームページならびに決算説明資料(2020年12月期 第二四半期 決算説明資料)
- 直近四半期実績の出典として『Kabtan』
- 直近データリンク先として『バフェット ・コード』
を利用しています。感謝です。
今回は、メーカーで気になる企業!
↓前回記事
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【企業分析】ドラッグストア/クリエイトSDホールディングス(3148)
続きを見る
↓分析のために参考にした本
四季報の業界地図のほうが売れているけど、日経新聞を毎日みているからかな?…けっこう見やすい!
気になる企業
出典:企業HP トップページ(https://www.lion.co.jp/)
- ライオン(証券CD:4912)2019年12月期:売上3475億円
https://www.buffett-code.com/company/4912/
国内シェア1位のオーラルケア商材など、生活必需品を中心とした日用品メーカー。
主な子会社として…
- ライオン歯科剤(歯科専売)
- ライオンハイジーン(業務用)
- ライオン商事(ペット用品)など
主要製品群
- オーラルケア(歯ブラシ、歯磨き等)▶︎国内シェア1位(競合:花王、サンスター)
《主なブランド『ビトイーン』『クリニカ』『システマ 』『デントヘルス』》 - ハンドソープ ▶︎国内シェア1位(競合:花王、牛乳石鹸)
《主なブランド『キレイキレイ』》 - エチケット(制汗剤等)▶︎国内シェア3位(競合:花王、資生堂)
《主なブランド『Ban』『休足時間』》 - 洗剤(衣料、住居、台所等)▶︎国内シェア3位(競合:花王、P&G)
《主なブランド『トップ』『ソフラン』『ルック』『チャーミー』》 - 医薬品(解熱鎮痛薬、目薬等)
《主なブランド『バファリン』『スマイル』》
競合状況
同業種の中で競合他社を挙げると…
- 花王(4452)2019年12月期:売上1兆5022億円
https://www.buffett-code.com/company/4452/ - 小林製薬(4967)2019年12月期:売上1680億円
https://www.buffett-code.com/company/4967/
上記の主要商品群において、医薬品以外は『花王』とガチンコ勝負!
『小林製薬』とはオーラルケア以外に競合する商品群はないが、同じ日用品・医薬品メーカーとして、時価総額や利益額が近いので比較対象として挙げる。
直近の業績
直近の四半期実績は…
『ライオン』https://kabutan.jp/news/?b=k202008050079
『花王』https://kabutan.jp/news/?b=k202007290060
『小林製薬』https://kabutan.jp/news/?b=k202007300064
出典:Kabutan決算速報
『花王』は、化粧品事業(カネボウ、ソフィーナ等)がインバウンド減をモロに受けているため、直近では大幅に実績を落としている。『小林製薬』も衛生用品の需要増はあったが、例に違わずコロナ影響で実績を落としている。『ライオン』も売上は落としているが、日用品メーカー全体で前年割れを起こしている中、比較的検討している。
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 4ページ
コロナ影響で手洗い需要によるハンドソープや巣ごもり需要による住居洗剤などが要因。
出典:バフェット ・コード_企業ページ(8月28日時点)
2018年から利益重視(売上伸長は横ばい)になり、株価も2000円から2500円のボックス相場。2020年3月からはコロナ影響による手洗い需要増等の期待により株価は上昇していたが、主力販売先のドラッグストアの月次推移も鈍化し、今後の受注は期待しづらいところか。
今後の見通し
決算説明資料を見てみると…
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 12・13ページ
経済全体ではインバウンド需要は戻らないので、医薬品等は厳しいと予測。
セグメント別では、準主力の洗剤の中でも市場規模が大きい衣料用洗剤が伸び悩み。高付加価値や大容量による単価上昇も一巡して、大幅に成長させる打ち手が見えないところ。
出典:2020年12月期 第2四半期 決算説明資料 15ページ
重点は、需要増が続くハンドソープを中心とした衛生関連商品。
中国や東南アジアでの需要が上がっているので、販促を集中させて一気に海外でのシェア拡大ができると業績の一段高も期待できる。国内消費も横ばいの中、『花王』や『ユニ・チャーム』のように海外での売上増が活路か?
出典
注目しているのは高濃度エタノール製剤(業務用)。工場や医科向けなどで、高濃度エタノールの不足しているよう。数社が生産に参入しているようだが、今後、工場などが本格稼働するとエタノールの使用量は増加していくので、ますます需要が増えてくる。金額はまだ小さいが成長するとおもしろい。
数値を見る限り、固定資産譲渡益を除けば売上も利益も微増であるが、コロナ影響下での前年超え予想に会社としての強みを感じる。
アフターコロナになっても不況は続くので、業績回復は至難の道であるが、”生活必需品”メーカーとして大きく崩れることはないと思うので、生命力が高い企業という印象!
私見としては…
2018年からの利益路線もあり、売上伸長が横ばいであるので、株価はボックス相場がしばらく続くと思うが、直近の決算後でも大きく値を下げており、加熱している株高もリセットされていてリスクも低いと感じる。株主としてはおもしろくはないだろうが、長期目線の買い手としては検討しやすくなっている。
株主としては、トレンドのDX関連などの銘柄に注目しがちだけど…
注目されていない時期に、次に進むエンジンを準備しているかをチェックして、再度注目される前に気付きたいというのが正直なところ…
ライバルである王者『花王』は超優良企業で好きな会社ではあるけど、我が家では『ライオン』製品を多く使う傾向にある。毎朝キレイキレイ薬用ハンドソープで手を洗って、システマで歯を磨く…身近な企業なだけに応援はしたくなる。
もちろん、投資に趣味嗜好や感情を持ち込んじゃダメだけどね…
↓分析のために参考にした本
74品目の世界シェアも載っていて勉強になる!