「日本経済は今後どうなるんだろう」って不安になりませんか。
この記事は、その日本経済の有識者などの見解を元に、投資先を連想する内容です。
厳しい業界もありますが、追い風の業界もたくさんあります。
ポジティブに、シンプルに、可能性を探ります!
今回は以下の本より、単純連想します。(全7記事のうち、第2弾目)
日本経済 予言の書
本著で書かれている2020年代に訪れる7つのショック
- アフターコロナ ショック
- トヨタショック
- 気候災害ショック
- アマゾンエフェクト
- 人口ピラミッドの崩壊
- ポピュリズムショック
- デジタルショック
を軸に日本経済の行方について予言を書かれています。
その予言を深ぼって悲観的になるのではなく、その予言から連想される業界を分析するきっかけにしようと思います。連想によって本著内容から大きく外れていきますが、それが狙いなのでご容赦ください。
予言の詳細を知りたい方は本著を買って読んでください。
今回も銘柄実績を見るためのリンク先には『バフェット・コード』を利用しています。感謝!
本著の予言2『トヨタショック』
気になる予言…
2020年3月期に過去最高水準の業績をあげるであろうトヨタが、「2030年には衰退するであろう」
気になる根拠1
フィルム産業という世界の主要産業はデジカメの登場から10年で衰退し、15年でこの世から消滅した
気になる根拠2
1990年代終盤のテレビ業界はソニー、パナソニック、東芝、日立、三菱といった日本メーカーが世界の市場を寡占
↓
「10年後には薄型大画面テレビが登場してブラウン管にとって変わる」と予測
↓
世界の売上高ベースでのテレビシェアの半数は韓国のサムスンとLG電子
中国メーカーが二番手…日本が想定した最悪の形
気になる根拠3
トヨタが危機を迎える原因…「世界的な電気自動車への移行の潮流」
・地球温暖化防止▶︎ガソリン車が縮小
・エンジン開発は難易度高▶︎電気自動車はエンジンが不要…参入障壁が崩れる
・トヨタよりずっと資本力に優れたAI企業がつぎつぎと参入
(1980年代のパソコン産業に起きたのと同じ状況)
と、トヨタにとって厳しい道のりが待っている。
一方、新たに生まれると予測されるビジネスチャンスは…
- 都市交通制御(渋滞緩和、事故防止等)
- 物流の最適化(稼働率向上、機会損失削減等)
- エネルギー(ガソリン▶︎電力)
- カーシェア(隙間時間でお金を稼ぐ)
- サブスク(ハードウェア▶︎ソフトのストック収入等)
トヨタにとっては劇薬▶︎受け入れられるかどうかが、運命の分かれ道
上記のビジネスチャンスは重要が拡大することが見えています。
5つのビジネスチャンス
チャンス1.都市交通制御
自動運転が本格的に進んだ未来では、自動車が制御システムとコネクテッド(接続)した状態。キーとなる技術は『車載カメラ(ドライブレコーダー)』
『車載カメラ』で連想する銘柄は…
- 沖電気工業(6703)通信機器が主力。車載カメラの制御システムに注力。
https://www.buffett-code.com/company/6703/ - JVCケンウッド(6632)車載器に強い。車載カメラも手がける。
https://www.buffett-code.com/company/6632/ - テクノホライゾン・ホールディングス(6629)光学事業展開。車載カメラも製造。
https://www.buffett-code.com/company/6629/ - アイ・オー・データ機器(6916)PC機器大手。車載カメラも製造。
https://www.buffett-code.com/company/6916/ - ザインエレクトロニクス(6769)半導体主力。画像処理技術に定評。
https://www.buffett-code.com/company/6769/ - ディジタルメディアプロフェッショナル(3652)画像解析サービス提供。
https://www.buffett-code.com/company/3652/ - カーメイト(7297)自動車用品製造。車載カメラ製造に注力。
https://www.buffett-code.com/company/7297/ - AKIBAホールディングス(6840)メモリ製造が主力。傘下企業がドラレコ製造。
https://www.buffett-code.com/company/6840/
『テクノホライゾン・ホールディングス』は光学事業を中心に事業を展開。光学事業では、教育ICT化やドライブレコーダーを中心に業績が復調してきている。
引用元:バフェット・コード 企業概要より
2020年7月23日時点で上場来高値付近を推移しており、アップトレンドを形成。IR次第では上抜ける可能性は十分になる。
チャンス2.物流の最適化
日本では物流ノウハウを保持する企業は少ないので、現時点で物流を手掛けている企業にスポットライトがあたる可能性がある。
『物流』で連想する銘柄は…
- 日本郵政(6178)傘下に『日本郵便』。
https://www.buffett-code.com/company/6178/ - 日本通運(9062)物流業界最王手。
https://www.buffett-code.com/company/9062/ - ヤマトホールディングス(9064)※ヤマト運輸
https://www.buffett-code.com/company/9064/ - SGホールディングス(9143)※佐川急便
https://www.buffett-code.com/company/9143/ - セイノーホールディングス(9076)※西濃運輸
https://www.buffett-code.com/company/9076/
配送大手を想像するが、もう少し絞って…
『物流関連』で連想する銘柄は…
- PALTAC(8283)医薬品・雑貨卸大手。商物一体型の受託に定評。
https://www.buffett-code.com/company/8283/ - 日立物流(9086)3PL事業。
https://www.buffett-code.com/company/9086/ - センコーグループホールディングス(9069)3PL事業。
https://www.buffett-code.com/company/9069/ - SBSホールディングス(2384)3PL事業。
https://www.buffett-code.com/company/2384/ - トランコム(9058)3PL事業。
https://www.buffett-code.com/company/9058/ - ハマキョウレックス(9037)3PL事業。
https://www.buffett-code.com/company/9037/ - C&Fロジホールディングス(9099)3PL事業。
https://www.buffett-code.com/company/9099/ - 丸和運輸機関(9090)3PL事業。
https://www.buffett-code.com/company/9090/ - ユーピーアール(7065)物流・輸送機器(パレット等)のレンタル。
https://www.buffett-code.com/company/7065/ - 日本パレットプール(4690)物流・輸送機器(パレット等)のレンタル。
https://www.buffett-code.com/company/4690/
『PALTAC』の本業は卸売業だが、物流の全体最適化に大きなノウハウがある。非効率的な”バラ納品”を比較的低コストで実現する仕組みや、店頭の作業コストを削減する”カテゴリー納品”をできる仕組みなど持っているため、並の3PL(サードパーティー・ロジスティクス…要約すると、第三者への物流委託)業者では歯が立たない。懸念点は、『PALTAC』の強みである商物一体(商流:商取引と物流のセット)が委託する側の小売業などから見ると、商取引の自由度を阻害するので敬遠しがちである点。仮に物流事業だけを独立させることができるのであれば、最強の3PL事業者にもなりえるが、あくまでも仮の話。
物流関連では、『ユーピーアール』が順調に業績を伸ばしている。主力のパレット(商品の輸送や保管に利用する荷台)のレンタル事業は安定収入をもたらしている。
引用元:バフェット・コード 企業概要より
製造業や物流企業がパレットの自社保有から、レンタルへの切り替えが進んでいるため、”パレットプールシステム”を武器にシェアを拡大していて株価も順調に上昇傾向。
チャンス3.エネルギー
ガソリン車から電気自動車に移行すると『電力』の需要は増加…
『電力』で連想する銘柄は…
- 東京電力ホールディングス(9501)
https://www.buffett-code.com/company/9501/ - 北海道電力(9509)
https://www.buffett-code.com/company/9509/ - 東北電力(9506)
https://www.buffett-code.com/company/9506/ - 北陸電力(9505)
https://www.buffett-code.com/company/9505/ - 中部電力(9502)
https://www.buffett-code.com/company/9502/ - 関西電力(9503)
https://www.buffett-code.com/company/9503/ - 中国電力(9504)
https://www.buffett-code.com/company/9504/ - 四国電力(9507)
https://www.buffett-code.com/company/9507/ - 九州電力(9508)
https://www.buffett-code.com/company/9508/ - 沖縄電力(9511)
https://www.buffett-code.com/company/9511/
各地区の電力大手を想定するが、2016年の『電力の小売全面自由化』で勢力図に変化が起こる。電力体制は『発電事業』『送配電事業』『小売電気事業』と事業ごとに分離され、電力事業の新規参入が増加。
化石燃料が縮小する未来では、『クリーン発電』が大前提…
『クリーン発電』関連の銘柄は…
- レスターホールディングス(3156)傘下企業がメガソーラー、風力発電を展開。
https://www.buffett-code.com/company/3156/ - イーレックス(9517)電気小売りが主力。バイオマス発電所を保有。
https://www.buffett-code.com/company/9517/ - レノバ(9519)再生可能エネルギーに注力
https://www.buffett-code.com/company/9519/ - エフオン(9514)省エネコンサル。バイオマス発電
https://www.buffett-code.com/company/9514/ - 多摩川ホールディングス(6838)5G銘柄。太陽光発電も注力
https://www.buffett-code.com/company/6838/
『多摩川ホールディングス』は5G銘柄としても注目を集めているが、再生エネルギー事業にも力を入れている。成長著しい東南アジアの電力事業参画も目論んでいる。
株価推移は…
引用元:バフェット・コード 企業概要より
2020年1月に急激な暴騰落があったが、5G銘柄でもあり基本はアップトレンドを形成。5Gと再生可能エネルギーの2本柱で業績は順調に推移。
チャンス4.カーシェア
従来の”レンタカー”はスポット利用だが、”カーシェアリング”は月額利用料を払って、ネットで事前登録して利用するモデル。都市部で利用登録が拡大中。
『カーシェア』で連想する銘柄は…
- パーク24(4666)駐車場運営大手。カーシェアリングサービスも注力。
https://www.buffett-code.com/company/4666/ - オリックス(8591)リース最王手。カーシェアリングも展開。
https://www.buffett-code.com/company/8591/ - ディー・エヌ・エー(2432)スマホ アプリ主力。カーシェアアプリ「Anyca」運営
https://www.buffett-code.com/company/2432/ - IDOM(7599)中古車販売『ガリバー』展開。カーシェアリングも提供
https://www.buffett-code.com/company/7599/ - 西尾レントオール(9699)建機レンタル。カーシェアリングにも参入。
https://www.buffett-code.com/company/9699/ - 日本駐車場開発(2353)駐車場コンサル業。カーシェアリングも展開
https://www.buffett-code.com/company/2353/
カーシェアリングでは、『パーク24』が先行している。ただし、本業である駐車場の稼働低下で業績も思わしくない。5月で底を打っているが前年同月はまだ昨年割れの状況。
株価も2016年を天井にしてダウン傾向にある。カーシェアリングには先行投資が必要であるため利益が出づらい状況。大手自動車メーカーがカーシェアリングに本格参入する可能性もある。次項のサブスク(定額利用)も含めて経過観察が必要。
チャンス5.サブスク
連想するキーワードは「車×サブスク」
自社のサブスクに取り組んでいる自動車メーカーは…
- トヨタ自動車(7203)※サブスク事業『KINTO ONE』展開
https://www.buffett-code.com/company/7203/ - 本田技研工業(7267)※サブスク事業『Honda マンスリーオーナー』展開
https://www.buffett-code.com/company/7267/ - 日産自動車(7201)※サブスク事業『NISSAN ClickMobi』展開
https://www.buffett-code.com/company/7201/
そもそも、従来の自動車販売の需要が縮小するリスクヘッジとして新しいビジネスチャンスを見ている。上記のサブスクモデルが進むということは、自動車の販売数が下がることを意味するので、今のままでは会社全体の業績も下がっていることを避けられない。厳しい選択が迫られている。
2020年3月期の業績は過去最高水準であるが、株価は戻りきっていない状況。2020年7月時点で日本の大手自動車会社の時価総額合計が、米国の『テスラ(TSLA)』1社の時価総額に負けているという屈辱的な状況。新しいトレンドに舵はきられている。
自動車産業の未来
本著の予言は大きくはずれることはないのかもしれない…
提唱される次世代の車の概念『CASE』
- 【C】…Connected(接続)
- 【A】…Autonomous(自動化)
- 【S】…Shared(シェアリング)
- 【E】…Electric(電動化)
自動車産業の未来は…
- 化石燃料の縮小▶︎電気自動車に移行▶︎参入障壁が崩れる
- 自動運転に移行▶︎大手IT企業が参入
- 自動車が外部と接続▶︎AI企業がメインプレイヤーに
- シェアリングが進んで自動車総台数が現在の1/10に
現状の製造販売モデルは崩れ去る…
トヨタ自動車としては…
- 自動運転技術で先行し
- 外部データとの連携を促進し
- 電気自動車製造で世界No.1を目指す
そして、
- 世界一の自動車メーカーの現状を否定し、
- 未来需要にあわせて、製造インフラのリストラを行い
- 自動車の総合サービス事業会社として転換する
いばらの道であることには変わりはない…
私見としては、耐え難きを耐えて、本著の予言を覆してほしい!
予言の根拠詳細を知りたい方は、本を購入して読んでくださいね。
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